2016年5月11日水曜日

葬儀 その3 告別式


これが本当に最後のお別れです。


してあげられる事も、これが最後です。


後悔しないよう、準備をして当日は朝9時に出発したのですが、


タクシーで先に自分を降ろすはずが、


親父が突如自分の都合だけで目的地を変更し、


自分を降ろす事が後回しになり、それによる時間ロスが発生。


ホテルの支払い、必要な買い物で、また駆けずり回り、到着が告別式ギリギリに。






ひと息つけたものの、汗が引かないまま告別式が始まりました。


祖母からは、またこんなに汗かいて。と言われてしまいました。





前日の通夜と同じ会場で何ら変わりもないのですが、


今日はどこが違う空気を感じました。


告別式です。もう母とお別れする事になるからです。




式は通夜と同じ、喪主からの焼香に始まりましたが、


ほぼ親族なので、すぐに終わってしまい、次は喪主である父の挨拶。


ずっと考えていたのを知ってましたが、あえて口出しせず、


本人が思う事を、思うままに伝えたらいい。そう思って見守ってました。



ちょっと無骨でしたが、シンプルで何とも父らしい言葉でした。




そして、最後のお別れをする為に、棺を移動し会場の中央に置く為、一時中断。





15分程で再び呼び戻され、母の棺は会場の中央に置かれてました。


司会進行の方から、




では○○さん(自分の名前)、このタイミングでご準備されてた事をお願いします。





そう言われました。




身だしなみ、メイクの直しの時間が欲しいとお願いしておいたのです。


通夜の時にも出席された母の友人からも言われたのですが、





もうちょっとメイク直してあげるのと、白髪を白髪隠しで隠してあげた方がいいよ。

いつもきれいにしてたんだから、このままじゃ可哀想だからね。





と、アドバイス頂いてたのと、自分もどうも、ファイナルメイクがしっくり来なかったので、


出来るだけいつもの母に近い状態で見送りたく、常日頃使っていた、


小さい化粧ポーチを持ってきてたのです。




そのポーチの中には、眉を描くペンシル?と、口紅がいくつか入ってます。


いつも介護施設行く時のドタバタで、口紅だの入れてあげたり、


持ち物の確認で、何度もそのポーチをバッグの中に入れて持たせていましたので、


その中には最低限のメイク道具は入ってることは知ってました。


ただ白髪隠しは、家になかったので、買いました。




まずは、白髪隠しを塗ってあげる事に。


然程時間がない事は解ってたので、慌ててしまい棺に液体を付けてしまいました。


また、しっかり塗ってるのですが、どうも色が付かなくて苦労しました。



母は、この1か月の入院中2回しか洗髪してもらってなく、


ここ10日程、洗髪もしてもらってなかったので、油分を含んだ頭髪が、


液体を弾いて色がなかなか定着してくれませんでした。




仕方ないので、頭髪は程ほどにして、メイクの方を直すことに。


薄くですが眉毛を描き、祖母には口紅を塗ってあげて下さいとお願いしました。


でも、祖母は、別れが近い為か、動揺してしまってうまく塗れないと、



途中で投げ出してしまったので、自分が塗ったのですが、


すっかりドライアイスで冷え切った母の体は、口紅も部分的に濃く付くだけで、


全体に伸びてくれません。最後は指で口紅をなじませてあげました。




冷え切った体に触れて、改めて死を実感させられた瞬間でした。




そろそろ。と声がかかったので、


旅立ちの身支度を終え、思い出の品物を棺に入れました。


まずは、一番似合うであろう、良く着ていたチュニックを母の体にかけ、


首元には、以前から持っていたエルメスのスカーフを。


そして、思い出の品物として、最近まで履いていた普通の運動靴。

 
介護施設で工作した物。バスツアーで一緒に行った清里の絵葉書、


熊のマスコットが縫い付けてある、ポッシェットなど。。。


それぞれをの品物を棺に入れる際、




これ好きだったでしょ。とか、


ここ一緒に行ったよね、楽しかったね。と


母に声をかけながら棺に入れました。







そして、次に花で母を飾り付けました。


式場にも花はあったのですが、当日は母の日と言う事もあり、


花屋に寄って、母に似合う花を選んで買ってきたのです。


葬儀屋さんからも、会場を花で飾るのは、一番コストが高くつくから、


気に入った花を買ってきて、それを棺に入れてあげるのがいいですよ。と言われていたので、


最後の母の日です。旅立ちに恥ずかしくないような花を必死で選びました。




このタイミング、そう母の日に葬儀なんて、親不孝なような、申し訳ないような、


そんな気持ちで一杯になりながら、恥ずかしくない花を選んだつもりです。






カーネーションは、珍しい色合いの薄いピンク系、


店頭で、はつらつと咲き、元気だった頃の母のような、オレンジ色のガーベラ、

 
あとは花の名前が解らないのですが、

 
店員が選び母のイメージに合うと判断した物をいくつか。


花も同じく、なぜこれを選んだか母に話しかけながら、棺の中に入れ母を飾りました。


本当は、好きなハナミズキを入れてあげたかったが、花屋では買えなくて諦めました。




買ってきた花で飾った後は、会場にある花も棺に入れました。


花で飾り付けも終了し、いよいよ出棺です。


その前に、最後のお別れを一人ひとりがしました。





喪主である父は、何度も、ありがとう。と言ってました。


そして次は自分の番。母に伝える事が出来る最後の言葉です。





あなたは立派は母親であり、時にはいい相棒、


そして時にはいい友人であり、俺の一番の理解者でした。


あなたを誇りに思います。もう苦しまなくていいからね。ゆっくり休むんだよ。


そして自分達の事を見守って下さい。あんたの子供で良かったよ。ありがとう。





もっとたくさんの事を伝えたかったのですが、


 やはり、言える事はこれしかありませんでした。


全員が最後の別れをした後、父は位牌を、自分は遺影を持ち、とうとう出棺です。







母の棺の後に続きながら、今日もあれだけ汗だくになったのに、


溢れ出る涙は止まる事なく流れ続け、もう先すら見えないような状況で、



火葬場に向かうバスに乗り込みました。




つづく










通夜にて。ここまでしてくれる、母の友人の心配りに改めて感謝。


















ランキングに参加してます。更新のモチベーションになりますので、
一票宜しくお願いします。

にほんブログ村 介護ブログへ



0 件のコメント:

コメントを投稿